スタミナロースかつ。この単純きわまりないネーミングと、何とも好き嫌いがわかれそうなビジュアル。それは25年その姿をほとんど変えていない、クックファンでは化石のような存在のアレンジとんかつメニューである。
そして、めちゃめちゃ人気があるのか。と言われればそうでもない(笑)全メニューの中で、ちょうど真ん中くらいの注文数なのである。
しかし、このスタミナロースかつは、人気がなかろうと、「にんにくなんて嫌い!」と市民権を得られなくとも、守り続けたい・・・そんなとんかつなのである。
誕生秘話(ってほどでもないが)は西暦1999年まで遡る。当時私は茨城県に来て間もなかった。色々な経緯(ここは省く。話すと2時間コースになるので)から、とんかつ屋を立ち上げることになった。
それまで営業マン経験しかない私がとんかつ屋だ。そして一番大事な話をしておこう。
実は私は・・・
「とんかつがそれほど好きでもなかった」
(おーい、それ言っちゃだめだー(笑))
・子供の頃、母から「今日は何が食べたい?」と言われても「とんかつ」とは一度も答えなかった(汗)
・たまの外食も「近所のとんかつ屋さん行こうか」と言われても笑顔で「やったー!」とは言わなかった(汗)
・学生時代、友達と「とんかつ」を食べに行ったことは記憶の中では一度もない(汗)
それほど好きでもない。でも食べられないわけではない。もうこれは先祖から引き継がれたDNAのようなものなのだろう(と思い込むことにする)。
それでも勉強のため、何件もとんかつ屋を食べ歩き、食べた・・・食べた・・・食べた。
しかし何枚食べても「I LOVE とんかつ」にはなれなかったのだ。
このままではいかん。とんかつがたいして好きでもない奴がとんかつ屋なんてやっちゃいかん。
そして、単純な事に気づいた。そうだ!自分が好きになれる「とんかつ」を作れば良いんだ。当時の料理長に「売れても売れなくても良いから、あたいが好きなとんかつを一緒に作って」とお願いした記憶がある。
こうして出来上がったのがこの「スタミナロースかつ」なのだ。
その正体を今あかそう。(いや、過去にも何回もあかしている(笑))
・脂身があるロースかつの間に軽く揚げたにんにくとネギを挟む
・それを普通のとんかつと同じように揚げる。
・するとなんということでしょう!お肉の中のにんにくとネギは軽く蒸し焼きされて、香りが最高潮となる。
・そしてとんかつの衣の上からもにんにくチップ(フライドガーリック)をパラパラとかける
そんな、にんにく嫌いな方、ネギが嫌いな方、営業中の方、デート中の方、パパお口くさーいと言われたくない方には、全く見向きもしてもらえないとんかつなのだ。
少し話を変えよう。
皆さんがとんかつを注文する時、すり鉢とゴマを出されたことがあるかもしれない。良く聞かれる質問は「すり鉢の中にソースを入れてよいのですか?」と
私はこの質問に「はい、OKですよ。そしてとんかつをチョンチョンとつけて召し上がってください」
なーんてお上品な回答をしている。しかし・・・だ
このスタミナロースかつだけはその限りではない。
今からスタミナロースかつの25年守られ続けてきた伝統的な食べ方をあなたに伝授しよう。
1.ゴマなんてあってもなくても良い。これはもう好み以外のなにものでもない。まず濃厚なとんかつソースをどばーっとかけるのだ。かける量は好みで構わないが、私は多めが好きだ。とんかつの衣が湿ったって多めが好きだー!
2.このとんかつは左から3切れ目あたりに一番にんにくとネギが入っている。私は一番美味しいところは「一番最後」に食べる派だ。だからそこは一番先に手を付けない。そして、脂身が多いのは向かって右端。でも一番右端はほとんど「にんにくもネギも入っていない」のでそこは箸休め的にとっておく。ではどこから食べるか。
3.ズバリ右から3切れ目だ。そこには脂身も程よくあり、赤身とのバランスも良い。さあ、ここを一口でほおばるのだ。
4.震える。そしてうっとりする。
右から3切れ目をほおばると「ソースの香り」「にんにくとネギの香ばしさ」「お肉の旨味甘み」この3つがあなたの舌に「じゅわわわわーーーー」っと伝わる。そしての「じゅわーー」が脳に伝わりきっと身震いすることだろう(大袈裟だ(笑))
しかしこれだけは確実に言える。「にんにく、ネギ、香りに変換された旨味」が鼻から「すぅーーー」っと抜けうっとりすること間違いないだろう。
5.米をかっこむ。
お米の高騰は続いている。それでもおかわり自由にしている。さぁ、迷うな!2杯め3杯目に突入だ!(無理しないでよ。適量でね)
この1~5を実行して初めてあなたは「スタミニスト」となれるのだ(いつ誰が決めた(笑))
そして、更にこの旨さを加速させるアイテムがある。それが・・・
「満足カレーのルー」トッピングだ。
クックファンのカレーは辛口だ。
しかし、ビリビリくる辛さではない。最初はフルーティーなのである。
「お?甘口だね?」と思わせておいて、後から小悪魔的に辛さがやってくる。
コンセプトは「首筋から爽やかな汗をかこう!」なのである(なんのこっちゃ)
実はこの最高の組み合わせを最初に発見したのは私ではない。クックファン常連の今井氏という方である。
そして彼は大胆な行動に出た。
「あのー、スタミナ満足かつカレー作ってください!」と・・・
そして、その商品は夏の定番商品となった。(ありがとう今井さん!)
カレーととんかつは別がいい!という方はトッピングで。かつカレー最高!と思う方は「スタミナ満足かつカレー」で食されるのが良いと思う。もちろんテイクアウトもいける。
ふぅ・・・久々に熱く語っちまった。でも、OPEN当時(1999~2000年)どうしても「I LOVE とんかつ」になれなかった私をとんかつ好きにしてくれたのが「スタミナロースかつ」なのだ。
だから、人気がなくても、「えー!?にんにくが入っているのなんてパスー!」と言われても残し続けたい。
これが私の原点なのだから。
~いばらきの旨い牛かつと、とんかつを通じて、皆様が喜ぶ事にチャレンジしていきます~
牛かつ・とんかつの店 クックファン
茨城県水戸市酒門町3322-1 TEL 0120-29-3998
営業時間:平日11:30~14:00(LO)17:30~20:00(LO) 土日祝11:30~14:30(LO)17:30~20:00(LO)