今日はしっとりと春の雨が降っています。カレンダーを見れば3月7日。もうすぐ東日本大震災から5年となりますね。
店舗の約半分は地元生産者の方々が作った野菜を並べる直売所。被災後は、生産者の方々も大変なのに、まいわい市場の片付けを手伝っていただきました。
その後再オープンに向け準備を進めますが、風評被害という目に見えない敵と闘う事となります。
復興イベントで声をかけて頂ければどこでも行きました。スタッフもほぼボランティアで手伝ってくれました。
「茨城県のお野菜、安心ですよ!安全ですよ!」と声を上げ、懸命にPRしてきました。その場では売れます。しかしなかなか大洗(茨城県)に足を運んでいただけることはなかった。
そのうち復興イベントに参加し続けることに疲れを感じ始めていました。
本当にこのやり方で良いのだろうか・・・本当にこれで皆さんが大洗に来てくれるのだろうか・・・
もう失敗したってなんだっていい。そんな気持ちだったのを思い出します。でもお陰様で立ち上げるイベントの多くに沢山のお客様に来ていただきました。
そんな時、あるルートで私のもとに「ガールズ&パンツァー」の話しが来ました。2011年10月の事です。
今では公私共に仲良くさせていただいている、バンダイビジュアル杉山プロデューサーと出会った日でした。
「女子高生が戦車に乗って闘う戦車道というものがある。そのアニメで大洗を舞台にさせていただきたい。その各調整をお願いできないだろうか」
アニメの事を何もしらない私にとって彼の話しはまったくもって理解出来ませんでした。しかし原作のないオリジナルアニメーションで、多くの人を楽しませたい・・・そんな気持ちがドンっとストレートに伝わってきたので制作協力をすることに決めたことを思い出します。
良く、今の大洗町の状況だけを見て、ガルパンでのまちおこしの秘訣は?とか、どのくらいの予算を使ったんですか?などの問合せを多く頂きます。
当初杉山氏と私の間には、このアニメを使って何か町でやろう!なんて気持ちは微塵もありませんでした。
そりゃそうです。私はまだ復興まっただ中。お客様ご来場いただくために、多くの新イベントを立ちあげている最中でしたしアニメの事は殆ど無知でした。
杉山氏も制作で駆けずり回り、かつまた最初からそのような事すら考えてなかった。
しかし、次第に杉山氏と私は良く言えば信頼関係を構築していった。悪く言えば兄弟のように仲良くなってしまった。(お互いにおっさん!と呼ぶようになった(笑))
「もしお客様(ファン)が大洗に来てくれたら、何かびっくりさせたいよね。何か楽しませてあげたいね。でもどうする?金ないよ!?時間もないよ!?・・・でもやりたいよねぇ」
その気持ちが全ての始まりだったと思います。それからと言うもの、お金が無ければ、今までの人脈を頼りにお願いをしまくり、手伝ってくれる人もお願い倒して、徐々に協力者が増えていって・・・
初めてガルパンのイベントを開催した2012年11月のあんこう祭でお披露目したラッピング列車や、バス、レンタサイクルなどは全て手作りでした。
何かびっくりさせたいよね。何か楽しませてあげたいよね。
その気持は今でも忘れていません。
・・・・・あれから(震災)から5年が経ちます。多くの皆様と一緒に、沢山の苦しみを経験してきました。
でもそれ以上に沢山の喜びや笑い、いたずら心で肩肘張らずワクワクしながらやってきました。
クックファンも大洗まいわい市場も沢山のお客様に来ていただいてます。クックファンでは企画系のお仕事が増えたため、ほぼお店に出ることが出来なくなり、ちょっと残念ですが、スタッフががんばってくれています。
時にお料理が遅くなってしまったり土日は混雑していることでご迷惑をおかけしていると思います。それでも「美味しかったよ」とお声を沢山頂戴して嬉しいとスタッフから報告も頂いております。
本当に感謝です。
これからも肩肘張らず、楽しみながら、笑いながらちょっとずつがんばっていこうと思います。
今までご来店ご来場頂いたみなさま、各イベントで関わってくれるみなさま、ガールズ&パンツァーを手掛ける製作委員会のみなさま、無茶振りに精一杯応えてくれる愛するスタッフのみんな、本当にありがとう。
クックファン・大洗まいわい市場 常盤良彦